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日本列島の54匹の「金の子牛」(2013 年「夏の交流会」発題要旨)

「安くて安定的なエネルギーを供給する責任がある。」2013年7月21日の参議院選挙で圧勝した政権与党の主張である。その理由としてあげられているのが、エネルギーコストの上昇、貿易収支の悪化、CO2の増大、責任ある政治、だから再稼働容認、原発推進である。しかし...

世俗化と宗教化に抗して

例えば、ここに一人の青年がいるとする。彼は学生として真面目な教会生活を送っていた。しかし彼が学校を卒業し、就職すると共に、一つの危機が訪れる。それは、彼がとにもかくにもそれによって生きることを願い、それによって生きることができると信じていた福音の論理が、職...

それなのに・・・(ルカ15:29)

私が赴任した教会で未受洗者の陪餐を容認する聖餐式を提案したときのことです。信仰歴が60年を超え誰からも信頼されていたある信徒が「先生、私は洗礼を受けてから、一生懸命に聖餐式を守ってきました。それは無駄だったのでしょうか?」と涙ながらに訴えてきました。なぜで...

73年前の或る出来事

何故かいつまでも心に残っている或るエピソードから。1939年、東京世田谷の野砲第一連隊に入隊したキリスト者が自らの信仰に基づいて、 入隊して一週間後に「キリスト者として聖書の“なんじ殺すなかれ”という教えに従って銃器をお返しします」と申し出て兵役の拒否を表...

ナショナリズムとキリスト教

北の島々に「実効的支配」をなす国の指導者が視察に来るというので、厳重抗議である。一方で南の島々に「実効的支配」をなす国があえて土地公有化を図れば国際問題になるという真っ当な懸念を表明した民間出身の外交官に対しては、厳重注意である。そうした場面で「領土問題は...

2012年の日本に暮らす者に今、求められていること

この1年間つづいてきた日本の絶望的な状態をありのままに見ると、原子力は人倫の道に反するものだとおもう。ひとはいかにして生きるかが根本から問い直されているというのに、財界・電力業界・官僚はいうまでもなく、原子力の学者・専門家には、そういうことへの配慮らしきも...

キリスト教は、原子力発電所といったいどのような関係があるのでしょう

「あなたがたは世の光である。山の上にある町は、隠れることができない。また、ともし火をともして升の下に置く者はいない。燭台の上に置く。そうすれば、家の中のものすべてを照らすのである。」 マタイ5章14・15節 私たちの生活に欠かせない電気エネルギーをどのよう...

知識人批判

「わたしどもは、あなたが神のもとから来られた教師であることを知っています。神が共におられるのでなければ、あなたのなさるようなしるしを、だれも行なうことはできないからです。」 ヨハネによる福音書3章2節 教科書的で非の打ちどころのない合格間違いなしのスピーチ...

震災と私

以下は、移動教会@山中湖・トーチベアラーズで7月17日にお話しした内容の概略です。 「洪水が地上に起こり、水が地の上にみなぎった。」(創世記7章)「石の代わりにれんがを、しっくいの代わりにアスファルトを用いた。」 (創世記11章) まず洪水という自然災害が...

心の津波

災害対策本部である庁舎の屋上まで押し寄せた津波に流されまいと手すりにしがみついて、九死に一生を得た人の話しが記されていた。 その震災の直前に、大学時代の1年先輩の死報に接した。家庭の事情から極度のうつ状態となり、そのことが原因だったと後になって知らされた。...