作成者: Yugi Church

心の津波

災害対策本部である庁舎の屋上まで押し寄せた津波に流されまいと手すりにしがみついて、九死に一生を得た人の話しが記されていた。 その震災の直前に、大学時代の1年先輩の死報に接した。家庭の事情から極度のうつ状態となり、そのことが原因だったと後になって知らされた。...

客観的判断?

このたびの震災を単なる天災の範疇から、世界的な恐怖を与えるほどの、黙示的な世界の終末を漂わせる意識を世界にあたえたのは、いつ処理が集結するかを誰もいえない<原発>事故でした。世界中が息を呑むようにこの事故の収束を今か、今かと注視しています。そして、さらに、...

リコルダーレ・メ – 私を覚えてください

私は世間知らずで、狭い世界しか知らない人間で、この年齢(トシ)を迎えています。ただ人生の時だけが恐るべき早さで過ぎてしまったような気がしています。けれど、その中で、忘れられない出来事や事件が、いくつも経験の記憶の中に深く刻まれてもいます。40年以上前のこと...

気づき

この2月、「ヤコブの手紙」という映画を見ました。フィンランド・アカデミー賞で作品賞、監督賞など4部門に輝いたほか、各国の映画祭で評判を呼んだヒューマンドラマ。1970年代のフィンランドの片田舎を舞台に、盲目のヤコブという老牧師と、身寄りのない元服役女性囚と...

それでも私は未来を信じます

昨日の夕刊によると、4月2日、警察庁の集計で、東日本大震災の死者は、11,938人、届出のあった行方不明者18,085人、避難所にいる人は166,000人と伝えられました。加えて収束の全く見えない原発災害。地震からはすでに3週間が経過しますが、被災地の状況...

無題

神はわれらの避け所また力である。悩めるときのいと近き助けである。この故に、たとえ地は変り、山は海の真中に移るともわれらは恐れない。・・・万軍の主はわれらと共におられる、ヤコブの神はわれらの避け所である。 詩篇46篇 東京は被災地ではない。しかし人々の心は<...

パサジェルカ

2009年、ベルンハルト・シュリンクが書いた「朗読者」(松永美穂訳・新潮文庫)が映画化されて「愛を読む人」という邦題の映画になり、主演した女優さんはアカデミー主演賞を取ったほどの評判となった。私は映画も見、日本語訳の本も読みました。父を大学教授に持つドイツ...

希望を捨てないで

2月22日、ニュージーランドのクライスト・チャーチ市でマグニチュード6.3の地震が起こり、26日現在で死者123名、行方不明200人以上と伝えられています。単純に神戸の震災と較べれば、被災数はその何分の一以下でしょうが、クライスト・チャーチ市は人口は37万...

メガネ

この十数年、私の視力は加齢と共に、不思議な変化をした。もともと目は悪いほうではなかったのに思春期以降、近視がすすみ、またどういうわけかひどい乱視が入ってきた。ちょうど50才を過ぎる頃、老眼の入口をむかえた。丁度、その頃のある晩、夜10時の<ニュースステーシ...

信じるということ

電車に乗って目的地に出かける。するとしばしば「人身事故のため、ダイヤに乱れが生じています」といった事態に遭遇する。多くの人は 「またか」といって顔をしかめ、数分前に一人の人の命が失われているかもしれないことにすら、感覚が麻痺してしまう日常の出来事である。 ...