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亀裂

この文章を書いているのは8月28日の深夜です。いよいよ夏が終わります。8月は広島・長崎の原爆や終戦に関する思いとともに、日航ジャンボ機が御巣鷹山に墜落し520名の方々が死亡した出来事が思い起こされます。1985年8月12日。ちょうどわたしはほぼ同じ時刻に別...

信頼関係

「清純派」を売り物にしてきた女優・歌手として知られてきた女性が覚醒剤中毒者だったことが判明し、大騒ぎになっています。社会的に知られたイメージと実態があまりにかけ離れていたからです。しかしこうしたことは時折起こることで、そのたびに驚いたり、話題になったりしま...

信仰によって生きる

「わたしには金や銀はないが、持っているものをあげようナザレの人イエス・キリストの名によって立ち上がり、歩きなさい。」 使徒言行録3:6 ペトロを代表として福音書に現われる弟子達と、使徒言行録に登場する使徒たちは別人と思われても不思議はありません。けれど間違...

昨日は終戦記念日でした。ありとあらゆるところで人々は逃げまどい、肉親を失い、孤児となり、中国においては日本人の数知れぬ赤ん坊が捨てられ、中には中国人が、自分の子どもとして広い親代わりとなって育ててくれたのでした。数え切れない悲しみ、痛み、なお癒されない苦し...

生と死のはざまで

わたしには9歳年上の兄がいる。ほんの10年ほど前に、この兄が終戦前後の出来事をわたしに話してくれました。終戦時に我が家に何があったのか、両親は決して話そうとしなかったので、わたしには何も知らされていなかった出来事です。終戦時、兄は9歳、わたしは生まれて10...

登場人物―神は心を見る

2週間前に、例年のように劇作家の高谷信之さんからお招きをいただいて、劇団ギルドによるオリジナル公演「十二双川物語」を池袋の小劇場で見せていただきました。高谷信之さんはNHKの「中学生日記」などの脚本も書かれた、数々の賞をえた大変すぐれた脚本家です。30人も...

半年を振り返って

先週、梅雨明け宣言が発表されました。いよいよ本格的な夏到来です。教会の前を通り過ぎる小学生たちもランドセルと一緒に1学期中に作り上げた図画・工作、 ピアニカ(楽器)など持ちきれない荷物を抱えて帰宅です。いよいよ夏休み。季節が劇的に変わります。今年もこうして...

ひとつの祈り

今は改装されて、カラオケ屋になっているその建物は、かつては大きなスポーツ用品を売る店でした。ある晩、よる10時ごろ犬の散歩の折に、奇妙な光景に出くわしました。翌日のスポーツ店開店を前に社員とアルバイトの大学生らしい若者たちが、駐車場の敷地に円陣を組み立った...

赦されることの力強さ

あるテレビのドキュメント番組を見ました。登場するのはほぼ90歳前後の男性たちです。皆それぞれかくしゃくとしており、背筋が通って、見るからに健康そのものの、明るい老人たちです。実はこの人々はかつて日本軍の一員として東北地方から召集され、旧満州に送られていた元...

変わりつつある由木の雀?

我が家の愛犬コタローはいちおう朝、晩の散歩が好きです。家から出るときは意気揚々ですが、用を足すと、たちまち帰りたがります。歩くこと自体はあまり好きではありません。散歩を待ち望んでいるのではなく、散歩から帰って、ありつける<えさ>が楽しみなのです。コタローの...