カテゴリー: 週報の裏面

正義

人はどこまで正しいのだろう。確かに正義は実現されないと困る。正義が勝ち、悪が正されるのは快感で、水戸黄門や西部劇が面白いと感じられるのは、正邪の立場が明確で、最後に、正義が勝つからです。しかし現実には、正義と悪の立場は簡単に黒白がつかない。時には権力者が自...

出で立つ心

1月4日の朝日新聞のコラム「素粒子」に次のような文章がありました。『このコラムを担当するにあたり、三が日をホームレスの人たちと過ごした。昼間は越冬炊き出しを手伝い、夜は路上に寝る。××冷凍庫の中に横たわっているようだった。夜明けの気温2度。見れば東南の空に...

つらいこころを抱えた人に

ことしもいよいよ明日は大晦日を迎えます。誰しもいちおう一年を振り返ります。この一年さまざまな事件や事故がありました。何かが起こるたびに、「被害者は人から憎まれたり、恨まれたりなどとはまったく無縁な善良の方でした。」とのインタビューが伝えられました。人は出来...

平和を祈る

人は今さし迫ったさまざまな問題や人間関係、将来のこともふくめ、さまざまな願望を心に抱いて生きています。直面するそうした問題や願望が次々と解決するなら人生はさぞ楽なものでしょう。でも世の中にそんな人は一人もいないでしょう。努力し、苦悩し、身の細る思いをし、時...

名器ストラディバリといえど

今年9月のはじめにミラノから南西4~50キロのところにある、人口7万人ほどの静かな町クレモナを訪ねる機会がありました。ぜひ一度この町を訪ねたいと思っていましたが、果たせぬ夢であったところです。クレモナは500年前にバイオリン製作で名を成したストラディバリウ...

できることなら

2歳9ヶ月になった孫の莉音(りね)ちゃんは最近、急におしゃべりが上手になって、家でおこったこと、保育園であったことを話してくれます。もっとも彼女の話の2割ほどは、私には理解不能な「リネ語」です。でも5歳の姉の未海ちゃんに「今、莉音なんて言ったの?」と聞くと...

宇宙を満たす神の愛が

新聞の社会面に伝えられるニュースには、なぜか心に引っかかるものをおぼえる出来事があります。先週伝えられた群馬県のある夫婦の事件です。妻は57歳、夫は一歳年下。妻は美容院を経営し、家をリフォームし、新たに美容室を一新して、改築が完成したその日に、夫婦が争いに...

懺悔(ざんげ)

人は驚くほど自分のことを知らない、といえるかもしれない。自分自身がどれほど罪深いのか、ことによると人を傷つけているのか、自分では知ろうとしないし、知りたくもない。ましてや自分の罪を認めて、告白し、許しを乞うということなど、めったに起こらない。ただ例外的に、...

私たちのイエス・イメージは?

私たちは、聖書の中のイエスを最初から最後まで「神の子」として観ている。当然のように。馬小屋で生まれ、様々な不思議な業や癒しを行い、福音を宣べ伝え、最後は十字架にかかり、3日後に甦り、昇天された方として。しかし当時イエスの周りに居た大多数の人々にとっては、新...

パンを分かち合う世界

世界中に経済的な格差が様々な形で拡大します。一国の中で格差があり、欧州の東と西ではやはり格差があり、大陸間でも極端な格差があります。聖歌隊の練習後にMさんの話をうかがいました。彼女が銀座を歩いていて、ある店の前で一足のミュールを見たのだそうです。その値段が...