信仰によって守られる
新約聖書にカパドキヤという地名が数か所出てきます。かつて迫害から逃れるために離散のキリスト者が、息をひそめるように住んでいた隠れ家のような洞窟地帯。そこに岩地をくりぬいて洞窟内に住居、教会を作り上げて初代のキリスト者は信仰を守り抜いたことでした。
当時の世界の絶対的覇者であったローマ帝国のどんな支配力をしても届くことのできないような、この上なく不便な要害の地に、人々はクリスチャン・コミュニテイーを作り上げたのです。水もパンも欠かすわけにはいかなかった。それまでして信仰の自由と心の自由を人々は守らねばならなかった。現代の世界でも政治信条の違いから、民族差別上の理由から途方もなく多くの人々が難民状態に置かれている現実があります。カパドキヤの遺跡は何も声を挙げませんが時代を戻せばキリスト者たちは体一つをもって都市生活を捨ててカパドキアの荒地の生活を選んだのです。
新約聖書ペトロの手紙はカパドキアも含むアジア州一帯に仮住まいをしている❛選ばれた生活❜をしている人々に向かって次のように書きます。
あなたがたは、終わりの時に現されるように準備されている救いを受けるために、神の力により、信仰によって守られています。それゆえ、あなたがたは、心から喜んでいるのです。
1ペトロ 1章5-6a
カパドキアの人々は終わりの時を望みつつ希望に生き続けた。2000年前、人々にとって時は「夜」であったに違いありません、しかし約束された「朝」は戸口まで来ていたのです。夜の最も暗い時は<夜明け前>と言われています。そのときローマ帝国は倒壊寸前でした。
今の日本、残念ながら明るい見通しは聞けません。ということは今こそ信仰の時、祈りの時が来ています。
2023年8月20日 週報の裏面より