繋がっている世界
9月の最終主日以来、ステファンと名乗るイラン人の方が教会のつながりを求めて礼拝に参加してくださっています。本日から教会暦は待降節(アドヴェント)を迎えます。クリスマス物語の中で遥かな東方から主イエスを訪ねてきた3人の博士たちとはペルシャ人ではないかと推定されています。クリスマスを前にペルシャ語を話す博士たちの同国人を、由木教会に迎えるなど何がしの因縁を感じます。
「ステファン」とは使徒言行録の初期教会史の殉教者の名前です。現在のイラン、サウジアラビア、アフガニスタン、イラクにおいて世界で最も野蛮なイスラム教原理主義支配の中で、何人もの若い女性たちがヒジャブというショールのかぶり方が不十分であるという容疑で、撲殺ないしは視力を失なうまで殴られたりたり、鼻の骨を折られたりの暴力が宗教警察署で頻発しています。イスラム原理主義が政権を支配しているこれらの国でイスラム教の棄教は死刑と決められています。
そこでわれらの友、ステファンさんは小型ボートでイランを脱出してギリシャに到達して、自由の身となり、めぐり巡っての日本定住の道を選ばれたようです。現在は難民認定申請中です。とはいえ日本は難民受け入れが極めて困難な国であることは承知のうえです。もし本国に強制送還になれば死刑は避けられないという瀬戸際の中でステファンさんは必死です。私たち夫婦はステファンさんから乞われて品川の入管事務所に彼を強制帰国をさせないでほしいと夫婦連名でお願いの手紙を書いたところです。
25日の東京新聞によるとドイツ、フランス、イタリアの複数の都市でワールドカップサッカーの放映をしないと表明していると伝えているそうだ。どうかこの一人の寄留の外国人が守られるように祈って戴けるようお願いします。
2022年11月27日 週報の裏面より