平和を祈る

教会暦によると本日から降誕前節に入ります。本日は<降誕前第9主日>になります。クリスマスはイエス・キリストがユダヤのベツレヘムでお生まれになったことを祝うキリスト教最大の祝祭です。しかしイエス・キリストがお生まれになったベツレヘムも、お育ちになったナザレも、2000年後の今も、パレスチナ自治区内に現存する町ということは驚きです。今、重武装のイスラエル兵による軍事侵攻に怯え恐怖と怯えの中にあります。
パレスチナの人々は2000年の間、パレスチナに住み続けてきました。行く先のない、流浪の民であるユダヤの人々に同情し、ユダヤ人を受け入れました。同時に、新しく発足した国連でパレスチナ分割が提案され、パレスチナの羊飼いたちのあずかり知れぬ間に、2000年住んでいた故郷を失うことになったのです。
パレスチナの人々とイスラエルとの間に何度も戦争が繰り返されました。最新の戦車を使っての砲撃。正確この上ない銃撃。電子技術の粋を集めた近代兵器はいつもイスラエル軍に勝利をもたらしました。けれど圧倒的な軍事力をもってしても武器で問題を解決することはできないでいます。このままでは死の商人を肥え太らせるだけでしかありません。ヘミングウェイの小説に「武器よ、さらば」と題する小説があります。

クリスマスは、来たるべき新年が<キリストが共にいる1年>であることを心に刻む日です。一人の人生でさえ、志一つで大きく変わるのです。キリストに出会って人生が切り替わらない人などいません。

心に平和、家族に平和、世界に平和が実現しますように。

2023年10月29日 週報の裏面より

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