10月の香り

いつも私の意思に関係なく、時間は、速く通り過ぎて行きます。気がつく間もなく、すでに秋なのに、空を飛んでいるトンボを見て、秋を実感しました。いつも忙しく走り回って、空を見上げるヒマもない私に、神さまが1日26時間を与えてくださるなら、せめて二時間は自分のために使いたい、そんな気持ちになります。

ここ南大沢に引っ越しをして、もう半年になろうとしています。引っ越しを決めた時は、本当に複雑な心情で悩みました。中学に入学する長女、小学校に入学する次女、・・そして、転校をいやがる長男のことで悩んだり、3人の子供で十分に幸せだった私に、次の子が授かったことが判明して、不安な思いに駆られたり、引っ越しはそうした中の出来事でした。ただそうした一連の出来事の中に、神さまは必ず我々の家族の為に素晴らしい計画を立ててくださっていることを信じて、ひとつひとつ解決することを心に決めました。そう思うと私のお腹にいる子供も、南大沢に引っ越しをすることも、神さまの素晴らしい計画のひとつだったと思います。引っ越しをはたした後、心にあった複雑な悩みが、ひとつひとつ解決でき、ひとつの扉が閉じたら、別の扉が開くことを経験しました。とくに神さまの恵みで、美しい教会を見つけることができ、さらにとても素晴らしい牧師さんの夫婦や教会のとても優しい人々に出会うことが出来ました。
それに、たくさんの人々の祈りの中で、私の子供たちが楽しく学校に通うことができ、祝福の中で元気な子を出産しました。10年ぶりで日本に来た私の両親もなんの不便なことなく、楽しい日々を過ごして幸せな思い出をたくさんつくることが出来ました。神さまが、我々家族のために、立ててくださった素晴らしい計画は、今も続いていることを信じ、一日一日を感謝しながら迎えています。

日本は、韓国にくらべて、神さまを信じる人が非常に少ないです。日本を愛する神さまも、悲しいだろうと思います。日本で、我々の家族が幸せに、さまざな人々から、たくさんの助けをいただきました。ですから何とかして日本の人々に伝道をして、愛や友情に答えたいと思いました。でも日本の人々はなかなか本音を表わしません。また、変な印象を与えて誤解を招いたらこまる、というおそれもあって、私はなかなか伝道することが出来ませんでした。ところが私の子供たちは、本当に純粋な心で祈りながら、友達に自然に神さまの存在を教えていたのです。人々に「神さまを信じて!」と話すことも大切ですが、クリスチャンだからこそ、正しい生き方や、信仰によって変えられた人生をあらわすことも、伝道ではないかと思います。みっともない大人より、純粋な心、瞳を持ちたいという努力が、我々クリスチャンに必要なことだと思います。そして、由木教会の人たちが、もっと、クリスチャンならではの人生のよき見本として、伝道をして、今は空いている教会の椅子に、家族を信じる家族がたくさん溢れる日々を、秋の空を見上げながら、心の中で幸せに描いています。

R姉(韓国人キリスト者)(2005年11月13日 週報より)
週報担当者より : 原稿は10月に戴いたものです。感謝をこめて。

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