地域の教会として

1974年4月1日に結婚してこの地に住み42年。現在の会堂は1988年に多摩ニュータウンの区画整理で現在の所に建て替えられたものです。以前の会堂はここから300メーターほどの所にありました。当時の風景は現在の教会からは想像もつかないほど、のどかなものでした。教会の周りは田んぼと吉田さんの鯉の池、雑木林などで夜になると真っ暗でした。その鯉の池に地面と間違えてバックした車がしばしば落ちていました。礼拝には外部からは誰も来ないこともあるようなスタートでしたが礼拝中ウグイスの鳴き声の応援、夜はカエルの大合唱。近くの小川(現在の大栗川のもととなった流れ)に飛んでいるホタルを捕まえて礼拝堂に放って楽しんだこともありました。最初は英語教室や宣教師による英会話クラス、クッキングクラスなどをして地域との関わりを求めまたそれは教会財政をも支えました。

昨年の2月にゆっくり会(由木のゆ、大栗川のくり)が教会両サイドを流れている川沿いの遊歩道にキャンドルを並べるキャンドル・ナイトを開催しました。何と昨年は1回目にもかかわらず1万人が集ったそうで新聞にも掲載されました。吉田さん(由木教会の始まりを作った方の孫でセブンイレブンを含むグリーンギャラリーガーデンズの社長)が旧住民と新住民との交流の場を作りたいと構想しこの地区の公園管理をしているスマートパークス由木が中心となって始められました。

今年の2月は残念ながら嵐のため中止となってしまいました。今年は由木教会としてもキャンドルを一区画担当する予定で準備していたのに残念でした。

その後、残念会のような催しが吉田さんのレストラン「オコジュ Au coju」で開かれ主催者や区画担当協力者が集まりました。名づけてゆっくりカフェ。千円の会費でお食事が用意され持ち込みOK。ある中華屋さんは大量の餃子の差し入れ。色々な飲み物の差し入れ。ある方はレストランにオーダーして差し入れ。席は自由で相席になった人とまずお互い紹介しあい名刺を交わし歓談しながらお食事を頂く。ある方は私たちが教会の者だと知って「実は私の妻のお母さんがクリスチャンです。私もそのうちお邪魔します。」「今、音楽活動していますが娘を育てていた時悩んで教会に行こうと思った事があります。牧師さんと知りあえてよかった。」
その他昔、英語教室に来ていた子が白髪交じりの頭になり地域で活躍している方、等々思いがけない出会い再会がありました。

そのような交流会「ゆっくりカフェ」が月一回オコジュで開かれることになり4月にも開かれました。今回相席になった方は朝日新聞の多摩地域ミニコミ誌「アサココ(旧アサヒタウンズ)」の編集長の女性と記者の女性。毎月35万部も発行しているそうです。その方も「私、高校生まで教会に通っていました。」「何かお手伝いできることがあれば言ってください。バザーの案内とか。」と思いがけない嬉しいお誘い。またこの地域の朝日新聞販売所の所長さんとも挨拶が出来、顔が繋がりました。毎年バザーの宣伝やクリスマスの案内をウエンズデイモーニングに掲載して下さるお礼も言う事が出来ました。会の終わりに吉田さんから牧師としての紹介があり、一言挨拶させて頂きました。この会を通して自分がキリスト者であることを明らかにすることで思いがけない繋がりが広がることを実感しました。それは日常の生活の関わり中でも感じることでもあります。

今年中止となった2月のキャンドルリバーは10月の終わりにすることが決まりました。教会のそばを流れているこの太田川はこのすぐ先で大竹橋の側の川と合流し一本となり大栗川になります。そのYの字の間に教会があります。 かつて飛び交っていたホタルの光がキャンドルの光になりましたが暗闇に輝くキャンドルように教会もこの世の光としてのその光を輝かせなければと思います。

先日、原田さんの労で十字架塔に電気タイマーが設置されました。これで点けわすれも消し忘れもなく、留守した時にも夜の闇に十字架が輝き毎晩「教会がここにあるよ」と語りかけているようで嬉しくなります。

小枝 黎子 (2016年5月8日 週報より)

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