一目で見分けられました
最近テレビでニュースを見ることがあまりなくなりました。見るごとに不愉快になるし、真実が伝えられているとも思わないからです。ニュースは翌日の新聞を読みます。先週・火曜日夜、私たち夫婦はデモに参加しました。その夜、東京に台風が襲来したその日です。日比谷公園の野外音楽堂にはほぼ満員の人だかりがありました。主催者発表では2,800人と伝えられました。行進が始まり、私たちはキリスト者、そしてカトリックの方々と共に歩みました。日比谷から西銀座のあたりに進んだところで、嵐はちょうど東京都心を通り過ぎるところでした。
傘も差せない、はげしい雨・風の中、けれど参加者の皆さんはますます元気で行進を続けたのです。カッパを着てゆきましたので、足元はずぶ濡れでしたが、無事、ゴールの鍛冶橋につき解散となりました。東京駅構内で、一様に、足元や服がかなり濡れているひとは、デモ参加者と一目で見分けがつきました。戦後70年を迎えて行われる≪平和・安全法案≫と名付けられた、じつは戦争法案に私は与することができないのです。
そして15日・金曜日。私は連れ合いと井出征子さんとともに、東村山の聖書学院に出かけたのです。女性たちは教区女性会総会に出席し、私は別のことをしようと考えていました。私は女性たちを聖書学院に送って、直ちに別の所に行こうと計画していました。開会の時間が迫っていたこともあり、連れ合いに依頼していた教団事務所の提出物を引き受けざるを得なくなってしまった。わたしにとって小さな予定変更でした。そして事務所本部の建物に入って、足早に数歩行ったとき、面識のない女性からから「小枝先生ではありませんか?」と突然呼び止められたのです。少し怪訝な顔をしていたかもしれません。
じつはその若い女性、2010年の平和聖日礼拝に、韓国人の牧師さんや、台湾人のキリスト者とともに由木教会に来られた一人・・・台湾人のアグネス・チャンさんでした。日本で牧師になるために聖書学院で勉強を始められたのです。5年前に,私が彼女に渡した名刺を大切に持っておられました。
「由木教会のために毎日お祈りしています。」
そう言ってこの5年間に彼女の身の上に起こったことを時に涙ぐみながら40分ほど話し続けたのです。その時、講義が休講になったため、彼女は教室のある2階から階段で降りてきて、私を一目で見分けたということでした。彼女も小さな予定変更だったのです。その出会いは偶然の重なりあいでした。でも、それは偶然ではなく、きっと神のお計らいだったに違いありません。
5年前の日本訪問で、たまたま由木教会に行くことになり、その日、行われた平和聖日礼拝が、心の中で深い感銘を刻み、そして聖書学院で学ばれることになったアグネス・チャンさん。
神の祝福が豊かにありますように。
(2015年05月17日 週報より)