給付金誤送金騒ぎ

先週は山口県阿武町で起こった新型コロナウイルス対策のための特別給付金4,630万円を、誤って24歳のギャンブル好きの青年に振り込んでしまったとする問題で、返還を求める事件に。大げさに言えば国を挙げて大騒ぎになりました。
突然大金を振り込まれた青年は「町から誤って振り込まれたと分かって、別の口座に移してオンライン・カジノに全額使い果たしてしまったと容疑を認めている」と新聞では伝えられている。見方によれば突然の大金の振り込みに自分自身を見失ったともいえる事件と言えます。彼は生涯をかけて公金を弁済してゆかねばならない負い目を背負ってしまった。
じつは・・・半年ほど前、昨年10月11日、奇しくも私の誕生日の前日、K銀行の由木教会宛に200万円の振込入金があったのです。わたしたちには未知の見ず知らずの方からの送金でした。ほどなくして銀行から、由木教会宛に誤送金をしてしまった方があり、とりあえずご返金下さいと緊急電話が入ったのです。入金を確認して、先方はさぞ不安と焦りでお困りだろうと思い、ともかく急いで、返金の手続きをとって一件落着したのです。出来事の原因は単純なミスです。送金先番号を打ち間違えたことと、表示された送金先名宛を確認しなかったことです。
あってはならないことですがケアレス・ミスというものは人間社会では、ないわけではありません。ケアレス・ミスを犯さないように注意深く日常生活を送るものの、人はそれに気づいたら速やかに修正するよう努力すべきです。ましてや24歳の青年は誤送金を、めぐりまわった幸運のように思いこんでギャンブルに使い果たしてしまった。原資はコロナウイルスで生活が窮迫している人々への給付金として支給されるべき公金であることを知っての上の出来事です。いま日本社会ではありとあらゆる形の詐欺・搾取の横行が見られます。まるで騙されるほうが悪いかのような社会のようです。
24歳と言えば社会に出たばかりの年齢で、オンライン・カジノに手を出す生活をするなど愕くばかりの退廃です。いったいこの青年詐欺師はどういう生活ぶりだったのでしょう。どのような家庭のしつけや学校教育を受けて育ったのでしょう。問われるのは青年自身ですが、周囲にいた大人たちも、更にはこうした犯罪を許している社会全体も、猛省が求められます。

2022年5月22日 週報より

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