平和を求める意思表示として

国会周辺での原発反対デモを、自民党の幹事長が「テロ」だと発言し呆れられたが、国民の集会やデモ行進は、憲法第3章国民の権利及び義務の第21条「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。」の行使なのだ。

2002年6月以来137回、毎月第2土曜日の午後、八王子市内を歩く小さなグループがある。メンバーの娘さん(当時高校生)の命名「Please no war 市民の会」、私もその一員として、お巡りさん2名に誘導というか守られて車道を歩く。膝痛で歩けなかった時期もあったが今は元気に歩けるようになり感謝。列は多い日は12名ほどだが、6,7名のこともある。前列3名が「憲法9条は変えさせない」と書いた横断幕を持ち、その後に続く人たちは携帯用メガホンを肩に掛け、マイクを廻しながら順に、その時々、政治や社会問題と憲法を結び付け、憲法を守るメッセージを語りながら歩く。このピースウォークは台風が直撃した日以外は、少々の雨や風、炎天の日も京王八王子の駅周辺から甲州街道を通り、出発地の船森公園まで2kmあまりを歩き解散する。始まりは9.11同時多発テロ後のアメリカによる報復軍事行動をいち早く支持表明し加担した、小泉政権への抗議と、憲法9条を守ろうという意思表示のためであった。都立大学や、中央大学のゼミ生たち数人も参加し、老若男女のグループだったが、今は81歳を先頭にどちらかといえば中高年女性のデモ行進である。私たちの多様な意見表明権を保証するために数の多少に関わらず、一定の手続きと要件を満たせば国民の権利行使は守られることを継続的に実践するのは、国民の不断の努力の一つだとも言える。

2014年を迎え誰もが平和を願っている。世界の地域で起こる紛争や圧政、武器による解決の無為さに巻き込まれる人々の姿に心が痛む。わが国に目を向けても「なぜ?」というしかない改革と称する日本の進路選択が進んでいる。1947年の憲法施行以来66年間堅持し努力してきた立憲主義、平和主義による国のあり方を政府解釈により大きく変更しようとしている。多くの人々が反対する中、特定秘密保護法が強行採決された。国家安全保障会議の始動などその後矢継ぎ早に出される政治の枠組みの変更は、私たちがこのことと日頃の暮らしとの関係を結びつける暇もなく、日本が暗雲の中につき進んでいくような気がしてならない。私たちが想像できる未来社会とはこの先何年くらいまでのことなのだろう。身近にいる子どもたちが生きる社会がどうなっているのかに思いを馳せ、息苦しい社会への道筋選択をしない。今、私にできることそれは祈りつつ、行動することだと思っている。

M.E (2014年01月12日 週報より)

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