立ち上がれデマス

デマスはこの世を愛し、わたしを捨ててテサロニケに行ってしまった。

2テモテ 4章10節

この週報裏の小文を読んでくださる敬愛する皆さんの中で、ことによったら使徒パウロのお弟子の中にデマスなる名前のお弟子がいたことを御存じない方がいるかもしれない。デマスは①コロサイ書4章14節、②フィレモン書23、24節、③2テモテ4章10節に登場します。コロサイ書では福音書記者であり使徒言行録の記者でもあった偉大な信徒ルカと並んでデマスの名前が挙げられています。

最後にデマスの名前が語られるのは2テモテ4章10節です。詳しい事情は何も描かれていませんので様々な想像が可能です。ある日、デマスは獄中のパウロを訪ねた。デマスはきびしく信仰に留まるように諭された。パウロの明確な勧めに対するデマスの答えは<デマスはテサロニケに行ってしまった>である。

テサロニケには盛んな教会共同体が存在していました。1テサロニケの信徒の手紙1章7節以下には「テサロニケ教会はすべての周辺教会の模範である」とパウロは褒めちぎっています。つまりデマスは、ふてくされてテサロニケに向かったのではなく、テサロニケ教会を選んだ結果だったと思います。彼自身の信仰の再出発を心に決めての結果でした。数か月後、すっきりと心新しくされたデマスは、生まれ変わったように宣教者として神にお仕えしたのではないかと私は想像します。

2023年11月26日 週報の裏面より

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