私たちを招くキリスト
イエス・キリストはユダヤの辺境、ガリラヤ地方を出発点として、イスラエル全土及びその周辺に宣教活動を広めて行きました。主イエスの当初の目的は同胞のユダヤ人を救うことでしたが、イエスの目はユダヤ人以外の外国人にも注がれていきました。当時のユダヤ人から不当な差別意識で忌み嫌われていた、サマリア人が居住していた地域にも立ち寄られ、一人の女性に話しかけられ数多くの人々が回心しました。又ユダヤというより、隣国シリヤとの国境であったツロ地方にも出かけ、ギリシャ人の女性の娘をいやされました。
主イエスはプライド高いユダヤ人が軽蔑してやまない他民族、罪人、徴税人、娼婦などを「友」と呼び、仲間として受け入れました。ユダヤの律法主義者たちは、そうしたイエスを悪霊に憑かれた者と断定し、神の権威を冒涜する危険人物と見なしたのでした。けれど主イエスは「自分の罪を悔い改める人なら(福音に生きようとする人なら)だれでも、救われる」のだと宣言されました。そうして初代教会が生まれ爆発的な回心が地中海世界全体に波及しました。
同時に初代教会が生まれた時代は終わりの見えない迫害の時代でもありました。けれど迫害はキリスト者の拡散を呼び、教会はさらなる伝道の拡散がもたらされたと言われます。結局皇帝礼拝の強要はキリスト者の信仰を強め教会は迫害と弾圧を生き抜き、キリスト教はローマ帝国の国教となっていった。
けれどその後、世界はどうなったのだろう。環境破壊、核兵器の拡散、宗教紛争の激化、犯罪と暴力の過激化、政治の無力化、富める者と貧しい人々の較差。
聖書は「やがて世の終わりが来る」と宣言します。見えざる神の働きに期待をこめて祈りたい。アーメン
2023年2月19日 礼拝メッセージより