肉体に逆らって
今年の2月に体調の不調を感じとって脳神経内科の名医、日野市にある康明会病院院長の平井健先生のもとで診察、指導を受けることとなりました。詳細な検査を経て判明したことは、わたくしの病状は今のところ脳自体の問題というよりパーキンソン病そのものであると言う判断でした。
現在、パーキンソン病のための治療は進歩して、治療効果が期待できる薬も開発されているとの事でした。今後の治療を期待してほしいと励まされました。
わたしにとってラッキーだったのは、教会には数名の介護福祉士の方がいらして、そこからリハビリのための貴重な情報を伺うことができたことです。そして八王子市の提供で3か月間、運動リハビリプログラム(通称ハチプロ)が提供されることになりました。3か月の間、専属のトレーナーがついてこちら側の生活状況を聞きとってくださり、数種類のストレッチ運動を教えていただいたのです。場所は多摩市の南部地域病院の奥にある『あい介護老人保健施設』。行き帰りは丁寧にも送迎付きでした。その週に教えられたストレッチは毎日家でも「復習」することが原則です。八王子市としても、うなぎ登りに増える要介護を一人でも食い止める方策として、実施しているプログラムであるから、恩恵に与る側も責任が生じます。
今から思うとパーキンソン症状が現れかけた時に迅速な対応ができたことが効果を早めたと思われます。パーキンソン症状の一つに首の変形があります。無意識のうちに左右或いは下方向に首が曲がるのです。思えば屋外を歩く時、左右を確認して歩くことがスムーズでなければ、どれほど危険なのか言うに及びません。
先週木曜日、平井健先生の診察がありました。3か月のリハビリプログラムをはさんでの診察でした。わたしはパーキンソン以前からベッドに仰向けに寝かせられると後頭部が平面部につかなくなっていました。後頭部が筋肉の硬直からか浮き上がってしまうのです。ところがその日は首が平面部に近づいていたのです(3か月のストレッチで柔軟性が戻って来ていた?)。先生は上から額をそっと押し下げました。驚いたことにわたしの後頭部は平面に着地したのです! わたしは驚いて「嬉しい!」と声をあげていました。首周りの硬直が改善され、以来、毎日通常のストレッチに加えて後頭部を平面部に置くストレッチが加わることになり、日毎のストレッチ運動に弾みが付いてます。小さな進歩ですが治療の前進が実感できる嬉しい経験でした。
ご心配、お祈りありがとうございます。
牧師 小枝 功(2022年8月28日 週報の裏面より)